新型コロナウイルス感染症の労務管理対策について②
- その他
岡山県内での感染者がかなり増えてきました。
身近な企業様にお勤めの社員様にも感染者が増えてきています。
これまでの相談は、家族など濃厚接触者(又はそれに近い方)への対応や
県外への外出時の対応などが主なものでしたが、
最近は、実際の感染者への対応というご相談に切り替わってきました。
以下、段階的な状況に応じて個人的な見解も踏まえて対応方法や考え方をまとめてみました。
① 感染の疑いのある方
・ 発熱や倦怠感、頭痛などの症状がみられた方は、
ただちに帰宅させ、自宅待機や病気欠勤として扱ってください。
・ 軽微な症状だったとしても同じように扱い、
発熱外来などへの受診を必ず行ってください。
⇒ 主治医や保健所への相談を行ってください。
・ 病欠と同じ扱いと考えますので、基本的には無給です。
(健康保険傷病手当の支給対象となります)
有給休暇の希望があれば有給休暇での対応とします。
② 感染が判明した方
・ 保健所の指示による対応を原則としてください。
・ 保健所が勤務可能の指示を出した後に、
大事を取って会社の命令で欠勤とする場合は、
休業手当の支払いが必要です(最低でも平均賃金の60%、できれば全額補填)。
・ 「健康保険傷病手当金」の申請が可能です。
・ 復帰の際は、保健所が発行した「就業制限解除」の証明を
本人から提出してもらい、その内容を参考にして復帰の判断を行ってください。
③ 健康保険傷病手当金について
・ 検査にて陽性となった場合や身体症状がある方は、申請が可能となります。
・ 医療機関にかかっていない場合は医師の証明を受けることができないため、
申請の際には、保健所が発行する感染の証明書を添付が必要となります。
④ 一人暮らしの方の食料品の受け渡し、連絡体制の整備
・ 一人暮らしで自宅療養の場合は、即座に連絡が取れるよう社内SNSを活用するなど
対応があると安心です。
・ 感染し自宅療養の指示を受けた方については食料品が供給されることがありますが、
(自治体により異なるかもしれません)
社内で食料品を渡す制度を設けたり、有志でお渡しするケースがあります。
感染経路の自己申告をしてもらうときの注意点
目的は、「感染経路を把握することで社内での感染者増を防ぐこと」にあります。
ただ、申告する側は、言い難かったり正直な行動履歴を申告しないことが考えられます。
理由としてはプライベートのことを言いにくいことにあります。
しかし、事実の申告がないと実施の意味がありません。
よって、
①目的に沿って情報を扱うこと
②人事担当者以外に情報が渡らないこと・・・上司にも情報を知らせないこと
③目的以外に利用しないこと、評価などに影響がないこと
をきちっと説明したうえで、申告を行ってもらうようにしてください。