残業代があがる!?
- その他
みなさんの会社は残業が多いですか?それとも少ないですか?
経済や取引先、人員や時季などによって大きく変動することも
あると思います。
2020年から感染が拡大した、新型コロナウイルスの影響により、
労働時間や勤務形態の大幅な変化に迫られた企業も多いと思います。
近年では働き方改革という名の下、労働時間にかかる規制が
どんどん厳しくなってきています。
そんな中、2023年4月からは中小企業に更なる負担がかかる可能性が
あります。
それは法定労働時間を超えた残業(以下、時間外労働という)に対する
割増賃金率の上昇です。
時間外労働に対する割増賃金率は、25%との認識をお持ちの方が多いと
思います。
これは決して間違いではないのですが、大企業では月60時間を超える
時間外労働に対しては、なんと50%以上の割増率となっています。
これが2023年4月から中小企業にも適用されることになります。
『月60時間超は50%の割増率』
これは中小企業にとってはかなりの負担となります。
幸い、制度開始までにはまだ1年弱あります。
月60時間超の残業代が常態化している、または60時間に近い残業が
行われているという企業は、改善に向けた取組みを始めましょう。
経営者と従業員が一緒に話し合いを行いながら、
①各部門、各担当の業務を洗い出し、②残業の要因を把握し、③解決策を検討
していけば残業は減らしていけるかもしれません。
尚、従業員の中には、「残業代が増える」「もっと残業しよう」と考える人も
いるかもしれません。
確かに給料が増えるのは喜ばしいことですが、長時間の労働は、それだけ体を
酷使しているということです。
長時間の残業は過労死にも繋がるということを決して忘れることなく、
仕事と私生活のバランスを考えて、仕事に励みましょう。
ここからは『人員不足』を例に挙げて、残業の削減に向けた取組みを考えてみます。
1.本当に人員不足か?
〇①部門ごとの人員配置に問題がないですか?
〇・人員が過剰な部門があるかもしれません。
〇・部門をまたいだ弾力的な人員配置はできませんか(時間や曜日等により配置変更)?
〇②仕事の割振りに問題がないですか?一人に仕事が偏っていませんか?
〇・「断れない人」「優しい人」に仕事が集中していませんか?
〇・その人の経験や特性にあった仕事の割振りとなっていますか?
〇③仕事への取組み姿勢はどうですか?実は余裕がありますよね?
〇・人は仕事に慣れます。同じ仕事をしていると、こなせる量も質もあがります。
〇〇実際はもっと多くの量をこなせるのに、与えられた仕事を時間いっぱいかけて
〇〇行っている人もいます(本人に自覚がない場合もあります)。担当業務の洗い出しを
〇〇行い、場合によっては少し負荷をかけてみるのも一つです(無茶な要求はだめですよ)。
〇④仕事の効率を意識していますか?
〇・どうやれば、より短時間で、少ない労力で仕事ができるか考えてみましょう。
・・従業員の中には、口には出さないものの、効率的な仕事方法を考えている方が
・・いるかもしれません。
2.人材採用に向けた取組み
〇①求人票を出して満足していませんか?
〇・現在は比較的売り手市場です。人員が不足している会社も多くなっています。
〇〇その中で簡易で形式的な求人票を出しても、応募は少ないでしょう。
〇〇自社の魅力や個性を出した内容に見直すのも一つの方法です。
〇②本当に採用したいと思っていますか?
〇・「人が増えたらコストも増えるから、しっかり残業してもらえばいいか」と
〇〇どこかで思っていませんか。決して「残業を減らすためには、単純に人を
〇〇増やせばいい」というわけではないですが、経営者の本気度は周囲にも伝わります。
〇〇場合によっては従業員のモチベーションにもかかわります。
〇③募集媒体の見直しはしていますか?
〇・最近は多種多様な求人サイトがあります。同じものばかり使っていませんか?
〇〇媒体によっては業種の得意不得意などがあったりします。しっかり見極めて
〇〇自社に合った媒体での募集を心掛けましょう。
〇・各種方面に相談・情報収集していますか?
〇・同業者の方には採用についての相談や情報交換などを行うことが多いと思います。
〇〇顧問契約している士業の方や取引している金融機関の方に話をしてみるのも
・・いいですよ。耳寄りな情報が入ってくるかもしれませんよ。
以上、いくつか取組み例を挙げてみましたが、どのような取組みがいいかは
会社ごとに異なります。
残業の削減は簡単にできるものではありません。
まずは自社の実態を把握し、会社全体で取り組み、よりよい職場を目指して
いきましょう。